コラムへ筆者紹介定期購読のご案内メールフォームリンク集ホームページへ
| Home | Column | Profile | Order | Mail | Link |

検察庁法改正に拘った理由
 

  検察庁法改正案を国家公務員法改正案と束ね法案として今通常国会での強行採決・成立を見送り,廃案とした安倍晋三政権は大打撃を受けた。政権に厳しい結果(数字)で出るとされる『毎日新聞』の世論調査(5月23日実施)の内閣支持率は前月比13ポイント減の27%に急落,不支持率は19ポイント増の64%まで上昇した。数字で見る限り,今後の政権運営に赤信号が点滅,危機水域に達したことになる。改めて指摘するまでもなく,「文春砲」(21日発売の『週刊文春』5月28日号「黒川弘務検事長は接待賭けマージャン常習犯」)炸裂によって,東京高等検察庁の黒川前検事長(22日に辞職)が産経新聞記者2人,朝日新聞社員と賭けマージャンを恒常的にやっていたことが発覚したことが致命傷となった。そうでなくても,1月31日の唐突感が否めなかった黒川検事長の定年延長閣議決定後,3月13日に検察庁法改正案を含む国家公務員法改正案を閣議決定し,4月16日の衆院本会議で審議入りしたものの,当初から検察庁法改正は拙速に過ぎるとの声が与党内からも上がっていた。潮目を変えたのは5月8日夜のツイートだった。30代のキャリアウーマンがツイッター上で「#検察庁法改正に抗議します」とのハッシュタグを付けて投稿したのがトリガーとなって同週末から抗議ツイートが急拡大し,さらに著名人が次々と投稿したことで同法案に反対するツイート数が拡散し500万超(リツイートを含む)を記録したことが大きかった。こうしたSNS上の声に押されて15日に野党は衆院内閣委員会での武田良太国家公務員制度担当相の答弁は認められないとして不信任決議案を提出,さらに松尾邦弘元検事総長ら検察OBらが法務省に異例の抗議文を提出するに至った。翻って見れば,安倍政権が2015年7月の参院本会義で強行採決・成立させた平和安全法制整備法案(安保法制)は,前年4月に集団的自衛権行使の容認を目指して閣議決定した後に,少なくとも4カ月余の熾烈な国会論議を経た上で自衛隊法改正案との束ね法案として成立させたものだ。(以下略)

      No.610 2020年5月25日号

・黒川接待麻雀事件で炙り出された検察と司法記者会の暗部
・世耕参院幹事長の「ホームラン」?悲願の公務員定年延長法案が廃案へ
・緊急事態宣言解除後の地銀の「非常事態」
・孫正義SBG社長発表の舞台裏「目利き」に大きな狂い?!
・松井大阪市長の“前のめり”と「大阪モデル」の今後の行方