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「ポンペオ長官」と「菅義偉長官」
 

  マイク・ポンペオ米国務長官が7月23日午後1時40分(米西部標準時間・日本時間24日午前6時40分)から行った演説を報道した新聞各紙(25日付朝刊)を読み比べた読者は驚いたに違いない。一面トップで報じた『産経新聞』の大見出しは「国務長官演説 歴代政権の対中政策は『失敗』―vs.共産中国 米の決意,『コロナ後』へ自由主義牽引」,『日本経済新聞』の見出しが「米国務長官『新同盟で対抗』―米,中国共産党を標的―『新冷戦』の様相強まる」である。トップ扱いではなかったが『朝日新聞』は「ポンペオ氏対中関与政策訣別を宣言」,『毎日新聞』が「米国務長官,歴代対中政策『失敗』―『習氏は全体主義信奉』」,『読売新聞』は「国務長官,歴代政権の政策転換―米,対中包囲網を提唱」の見出しを掲げた(注:「関与政策」はengagement policyとして知られる)。ポンペオ演説の重要性は,演説会場がリチャード・ニクソン元大統領の出身地であるロサンゼルス市北東のオレンジ郡ヨーバリンダにあるニクソン大統領図書館・博物館であることからも窺い知ることができる。ポンペオは演説の中で1972年に電撃訪中したニクソン元大統領を<歴史的な北京訪問で,関与政策を開始した。だが,我々が追求した関与政策は,ニクソン大統領が期待した中国国内の変革を起こすものでなかった。我々は中国を歓迎したが,中国共産党は我々の自由で開かれた社会を悪用した。……中国共産党政権がマルクスレーニン主義政権であることに留意しなければならない。習近平総書記は破綻した全体主義イデオロギーの信奉者だ。……>と言い切った。「中国共産党を標的」(『日経』見出し)にした異例の体制批判であり,国家主席である習近平を名指しした批判にまで踏み込んだのだ。同演説を額面通り受け止めれば,米外交の責任者がもはや中国との共存はあり得ないと宣言したに等しい。トランプ政権が24日にテキサス州ヒューストンの中国総領事館を閉鎖,習政権は対抗措置として27日までに四川省成都の米総領事館を閉鎖するよう通告した。(以下略)

      No.614 2020年7月25日号

・国交省人事を牛耳り「GoTo」で勝負を賭ける菅官房長官の野望
・「1強」から一転「巣篭もり」を余儀なくされた安倍首相
・教育情報管理機構のJePシステムの頓挫
・先行きに暗雲立ち込める銀行系証券各社
・本誌読者のための「夏休みの一冊」