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大型経済対策と衆院解散
 

  12月5日夕の臨時閣議で決定した事業規模26兆円の経済対策に対する懸念と批判がある。『朝日新聞』(12月6日付朝刊)は「26兆円経済対策規模ありき―公共事業など膨張,厳しい財政」の見出しを掲げて,リードで次のように書いている。《海外経済が落ち込む将来のリスクへの備えや,災害から復旧・復興を後押しするためという。ただ,選挙を見据えた与党の強い願望で,「規模感ありき」となった感もぬぐえない。政府がアピールする国内総生産(GDP)の押し上げ効果や対策の規模,内容には疑問の声もあがる。》そして同紙は本記最後に来年の政治日程との関係に言及,《いまの衆院議員の任期は10月に折り返しを迎え,経済対策が実行に移される来年には,衆院解散・総選挙があるとみる議員も多い。安倍晋三首相ら政権幹部は,来秋以降を視野に「東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた政治活力の維持向上」と繰り返してきた。五輪後の景気の下ぶれに手を打ち,衆院解散の環境を整える―》と報じた。同紙に指摘されるまでもなく,国や地方からの財政支出が13.2兆円,民間の支出も加えた事業規模が26兆円に達する経済対策を決めた安倍が来年のどのタイミングであれ衆院解散の意志を胸中に秘めていないはずがない。問題は,いつ踏み切るのかである。その前に「規模ありき」とされた経済対策そのものに対する客観的な評価である。米ニューズレターOBSERVATORY VIEW(12月5日付)の指摘は正鵠を射ている。在米アナリストの斎藤ジンは「総事業費26兆円は見せかけを含んだ数字であり,ここでの議論(評価)は無意味と言える」とした上で,以下のように指摘する。《それ故,政府が実際に予算を充当する財政支出に焦点を当てると,13.2兆円にのぼり,このマネーは今後15カ月(予算)で使われる。いわゆる「真水」部分である。政府予算が10年単位で計画される米国とは異なり,日本の予算は基本的に単年度主義であり,原則として今年度に充てられた予算は今年度に使われる。》(以下略)

      No.600 2019年12月10日号

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・注目のラグビープロ化に参入する?!ソフトバンクの思惑
・小中学校1人1台のPCと自民党文教族の存在
・全銀連が取り組む子供の貧困問題
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