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特捜復活で波乱必至の通常国会
 

  東京地検特捜部が復活した――。政官界に足場を築いている「スパコンの天才」の斉藤元章ペジーコンピューティング代表を補助金詐欺で逮捕。さらに,大手ゼネコンの大林組をリニア中央新幹線に絡む偽計業務妨害で強制捜査し,その後,大林組に「談合していました」と自主申告させて,鹿島建設,清水建設,大成建設を含む4社を独禁法違反で家宅捜索した。「死んだふり」が長かっただけに,誰もが特捜の動きを訝しみ,それを許した検察幹部の思惑を諮りかねている。だが,特捜部の役割は贈収賄,脱税,談合など,放置すれば「国家の秩序」が揺らぐような国民全体が被害者と考えられる犯罪を一罰百戒の思惑をもって摘発することである。スパコンは税務調査の過程で国税から告発が寄せられ,ゼネコンは圧倒的な総合力を背景に「スーパーゼネコン」と呼ばれる4社が強引な受注を繰り返すことに不満を持つ中堅ゼネコンからの告発がきっかけだった。そういう意味では特捜部らしい事件だが,「死んだふり」にも理由があった。8年前に大阪地検特捜部で証拠改竄事件が発覚。信頼を失った検察は,「特捜改革」に踏み切らざるを得なかった。それは取り調べの録音録画など捜査手法の改革につながるもので,検察は改革の反対給付として,自白の強要を避けるための新たな武器を欲しがった。それが刑事訴訟法改正による司法取引と対象犯罪を大幅に増やした通信傍受法改正である。司法取引は2018年6月までに施行され,あらゆる通信を暗号化して蓄積,その後に解析できる装置を使った通信傍受も19年6月までには施行される。焼け太り批判が起こるほどだが,それは逆に,政権の意向をそれほど気にしないで済む法務・検察の独立性の確保につながった。つまり時が熟して特捜部は復活した。(以下略)

      No.557 2017年12月25日号

・収益悪化が深刻な地銀の株式投資体制に不安も
・東芝「上場維持疑惑」問題決定時期に政治への「忖度」?
・自著の題名通り「生きかた上手」の一生だった故日野原重明
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