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「ゴーン反撃」と検察の特背逮捕
 

  東京地検特捜部は,日産元会長・最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン容疑者を特別背任容疑で再逮捕,東京地裁は2019年1月1日までの勾留を認め,「クリスマスと正月を家族と迎える」というゴーンの願いは叶わず,新年早々に予定していた日本外国特派員協会(通称,外人記者クラブ)での記者会見など,「反撃」は封じられた。その代わりは保釈されたグレッグ・ケリー被告が務める。だが,有価証券報告書への不記載については知っているものの,私的な投資損失を日産に付け替え,その保証をした中東の知人に中東日産のCEO積立金(機密費)から約16億円を提供したという背任容疑については説明するわけにもいかず,ゴーンの弁明がないまま,連日のマスコミ報道で「ゴーンの私物化と強欲ぶり」が徹底的に報じられて「有罪止むなし」の雰囲気が高まる。特捜案件となった場合の被告・被疑者の立場は弱いものの,今回,海外メディアの報道で,改めて日本の刑事手続きの“異常”が伝えられた。取り調べに弁護士は立ち会えず,勾留は20日間の長きにわたり,否認すれば「人質司法」という言葉の通り,起訴後も保釈を認めず,外に出さない。久木元伸東京地検次席は,海外メディアの質問に「法的手続きはしっかり踏んでいる。国によって刑事司法は違う」と弁明していたが,勾留が認められないとなると,別件で逮捕した手法は,改めて「特捜案件の容疑者・被告は,絶対,検察の意向に従わせる」という検察の唯我独尊を浮き彫りにした。まして検察には,ゴーンを絶対に有罪にしなければならない理由があった。第一に,事件が首相官邸と経済産業省の「日産をルノーの傘下にしてはならない」という意向を受けた国策捜査であったこと,第二に,証拠改竄事件を機に「特捜改革」を迫られた検察が,官邸にひれ伏して手に入れた「司法取引」の実質的な第一号であり失敗は許されないことである。(以下略)

      No.579 2018年12月25日号

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