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安倍晋三首相の気懸りは「経済」だけ し}
 

  過熱する北朝鮮問題の対応のため,トランプ米大統領が原子力空母「カール・ビンソン」を北東アジア海域に急派したと大々的に報じられた「フェイク・ニュース」は米政府内の意思疎通の滞りを露呈した。一説には司令官が指示を間違えたとの話もあるが,トランプが空母の航行計画を確認せず「我々は大船団を送っている」と発言し,国防総省側もあえてそれを否定しなかった,というのが真相らしい。カール・ビンソンは4月8日にシンガポールを出港してオーストラリアに向かう予定だった。ところが,北朝鮮が15日の金日成主席誕生日「太陽節」に合わせ核実験など挑発行為が予想されるため,ハリス太平洋軍司令官が北部海域への派遣を指示したと発表され,トランプも追認した。実際は,15日に朝鮮半島から5300`離れたインドネシア付近にいた。現在は朝鮮半島付近海に向け北上,23日から海上自衛隊の護衛艦2隻と共同訓練を始め,25日に日本海に至る。現代の軍事行動はコンピューターが制御しているのに,中途で人間が介在すると情報混線が起きる。中国の『環球時報』(電子版)は「米空母打撃軍の北東アジア集結の報道は,大きなオウンゴールになった」と揶揄した。現に北朝鮮の金正恩委員長はこの情報に反応しミサイルを発射(結果的に失敗)している。果たして到着した米空母やミサイル巡洋艦らから北朝鮮に対する先制攻撃はあるのか。日本の複数の軍事専門家は95%の確率で「ない」との見方を採る。「ない」の根拠は特に示されるわけではないが,米政府が「戦略的忍耐の時代は終わった。すべてのオプションがテーブルの上にある」と挑発的言辞を吐こうとも,自らの先制攻撃にはブレーキがかかるはずという「性善説」に拠っている。いかにトランプが熱しやすい性格の持ち主であっても,自分から戦争を仕掛け,世界大戦への引き金役を引き受けるのはためらうとの常識論的推測に依拠する。破天荒な金正恩については予測不能なところがある。(以下略)

      No.542 2017年4月25日号

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