9月1日付 安倍首相、突然の辞任…後継は菅官房長官が最有力、その5つの理由

それは驚天動地の速報だった-。NHKは28日午後2時7分、安倍晋三首相が「国政に支障が出る事態を避けたい」と辞任の意向を固めたと報じた。
正直、筆者は17日の慶応大学病院に「日帰り検査入院」、24日の「追加検査・緊急治療」があったものの、公務続投が可能との首相周辺からの情報もあり、これまで唱えていた「早期退任説」を控えていた。
それはともかく、いま永田町の関心は「安倍1強」後の、次期自民党総裁が誰になるのかに集中している。
後任総裁は、党則にある自民党衆参院議員394人が出席する両院議員総会で選出される見通し。その後に召集される臨時国会の衆院本会議の首相指名選挙で、新総裁を推す与党の自民、公明両党の賛成多数で新首相に選出する。
では、安倍後継を決める両院議員総会はいつ開かれて、後任総裁は一体、誰が有力なのか。
両院議員総会は9月14日にも開催される。岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長の名前も挙がるが、筆者は菅義偉官房長官が最有力だ。
理由(1)安倍首相が「体調が万全でないと政治決断に影響を来す」と述べたことは大きい。
菅氏は、新型コロナウイルス対策に引き続き全力投球するために安倍内閣で官房長官として責任を担ってきた。

同(2)首相指名後に立ち上げる内閣の布陣を予想すると、官房長官に河野太郎防衛相を抜擢(ばってき)するほか、閣僚経験がある野田聖子氏、小渕優子氏、稲田朋美氏など女性政治家を主要閣僚に起用する。
同(3)新内閣発足では“ご祝儀相場”の日本的慣習に加えて、党役員を含めサプライズ人事によって「菅内閣」の支持率は50%超が期待できる(=ちなみに、直近の共同通信社調査で安倍内閣支持率は36%)。
同(4)9月16日に予定される党大会で新・立憲民主党が発足するが、ヒト(執行部人事)、カネ(約50億円とされる国民民主党の政党助成金残高)、モノ(各選挙区の候補者調整)の立民、国民両党の調整が難航している。
同(5)ネーションリーダー(国家リーダー)の顔が「令和おじさん」に替わることが好感される中で、衆院解散・総選挙を断行できる。「10月13日公示・25日投開票」の可能性が急浮上する。そして、衆院選では、自民、公明両党+日本維新の会で、衆院(238議席)の絶対安定多数(266議席)が期待できる。

 以上、挙げてみても分かるように、「菅首相・総裁」の確率が高い。