No.629 4月10日号 日米首脳会談の「最大難題」

菅義偉首相は4月16日,ジョー・バイデン米大統領とホワイトハウスで会談する。大統領就任後,初めて対面で会談する外国首脳である。この一事を以って「外交成果」と言い募るだろう。
 確かに,日米同盟の証であることは否定しない。だが,日米首脳会談で協議する喫緊のテーマは温暖化ガス削減=脱炭素問題を始め,中国の海警法と台湾情勢,香港・新彊ウイグル自治区の人権侵害,日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用,コロナワクチンの途上国供給,レアアース・半導体・EV電池・医薬品のサプライチェーン分散など数多あるが,バイデンが菅に対して単に日米ウィンウィン関係確立を願っているとは考えられない。では,米側が日本に何を求めて来るのかである。先ずは随行メンバーをチェックする。
首相官邸:坂井学官房副長官(衆院議員),
阿達雅志首相補佐官(参院議員),
和泉洋人首相補佐官(旧建設省出身),
寺岡光博首相政務秘書官(財務省),
外務省:森健良外務審議官(政務),
市川恵一北米局長,
財務省:岡村健司財務官,
経済産業省:田中繁広経済産業審議官,飯田祐二資源エネルギー庁次長,
防衛省:槌道明宏防衛審議官,
環境省:中井徳太郎環境事務次官,
松澤裕環境再生・資源循環局次長――(各省の所管課長は除く)。▶︎

▶︎環境省だけが次官同行なのは,首脳会談後の22日の気候変動サミットが控えている上にバイデンが脱炭素問題に並々ならぬ熱意があるからだ。
 財務,防衛両省から所管局長が同行しないのは省内事情である。現時点で首脳会談の米側同席者リストは公表されていないが,アントニー・ブリンケン国務長官と元国務長官のジョン・ケリー大統領特使(気候変動担当)の大物2人が同席するとワシントン情報は指摘する。だが外交プロトコール上,その場合にブリンケンとケリーの前に日本側で誰が着席するのか。今回はワーキングビジットであり,米側に拘りがないとされるが興味深い。本誌は席次に拘りがあるからだ。
 それはともかく,首脳会談のアジェンダのなかで最大関心事は「台湾情勢」である。最近の台湾周辺で中国海軍の空母「遼寧」,ミサイル駆逐艦など6隻の艦艇が行った海上訓練,さらには空軍戦闘機,対潜哨戒機「Y-8」など10機の台湾南西部の防空識別圏(ADIZ)侵入を見るまでもなく,中国の台湾圧力が際立っているのだ。それ故に共同文書に「日米両国は台湾海峡の安定に強い関心を持っている」と盛り込まれるはずだ…(以下は本誌掲載)申込はこちら

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