No.635 7月10日号 頑迷固陋・菅義偉首相の問題点

やはりと言うべきだろう,菅義偉首相は新型コロナウイルス感染再拡大が止まらない東京都に対し,4度目の緊急事態宣言を発令することを決定した。期間は7月12日から8月22日までの長期となる。緊急事態宣言を延長する沖縄県の他,埼玉,千葉,神奈川の首都圏3県と大阪府も「まん延防止等重点措置」を継続する。
 一方,北海道,愛知,京都,兵庫,福岡の5府県は重点措置を解除する。この決定により23日に開会式を迎える東京五輪は「無観客」(都内の全会場)での開催となった。そもそも,政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らは「無観客」開催を助言していたが,ワクチン接種が広がればコロナウイルス新規感染者,重症者,死者数は確実に減少すると菅首相は「有観客」開催に拘泥してきた。
 「65歳以上の高齢者への接種は7月末完了を目指す」発言(4月23日の記者会見),「速やかに1日100万回接種を実現する」表明(5月7日)後,ワクチン接種推進に賭けた菅官邸は感染症専門家を含め外部識者の助言・提言すべてを“聞き置く”だけで事実上,遮断して「有観客」開催に向かって突き進んだ。その間,菅は信を置く側近からの「無観客開催以外に大会実現はあり得ない」とする諌言を受けていたが,それをも切って捨てたほど,菅の執念は鬼気迫るものがあったという。「敵と味方を峻別する」,「決めたことは覆さない」,「思い込みが激しい」,「人見知りするタイプ」,「一度ダメ出した人間は決して使わない」など菅が頑迷固陋であるとの批判は少なくない。▶︎

▶︎一方で,自身が得心すればブレることなく猪突猛進する不動明王のような政治家であり,良く言えば「頑固一徹居士」である。先日,亡くなった作曲家・小林亜星が演じた「寺内貫太郎」そっくりだ。
 例えば外交に転じると,先の主要7カ国(G7)首脳会議における菅の果たした役割である。G7英コーンウォール・サミットで焦点となった首脳宣言に「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し,両岸問題の平和的解決を促す」を盛り込めたのは,実は菅が消極的だったドイツのアンゲラ・メルケル首相をサミット2日目の6月12日午前第3回セッション直前の日独首脳会談で膝詰め談判・説得したからだ。
 日独事務レベルの事前協議に無かった想定外の展開に同席者はのけ反ったという。対中牽制のためには首脳宣言に「台湾海峡」を盛り込むことが必須であると強く確信していたからだ。外交・安保が弱点とされた菅であるが,一度得心すれば不動となり,突き進む。サミット初参加(対面)の菅が15回参加の最古参メルケルをして思わず天井を仰ぎ見させたのだ…(以下は本誌掲載)申込はこちら

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