9月13日付「習氏の『共同富裕』思想は文革の再来かー富裕層や大企業を魔女狩り、人気女優に罰金51億円」

少し前の事である。中国共産党指導部は8月27、28の両日、民族政策に関する中央民族工作会議を開催した。習近平国家主席(共産党総書記)は次のように語った。 
 「中華民族共同体意識を形づくることを民族政策の中核に据えねばならない」とした上で、「中華民族の利益が最重要であり、中華文化が幹、各民族は枝と葉だ」と言い切った。この発言には仰天した。全人口の9割以上を占める漢民族に55の少数民族を同化させると言ったに等しい。 現在も新彊ウイグル自治区などの少数民族の“非暴力抵抗”に直面する国家指導部が改めて「すべての民族が、中華民族、中華文化、中国共産党、中国の特色ある社会主義への強い帰属意識を持つこと」の重要性を強調せざるを得ないほど手を焼いている証しだ。 
 一方、習氏は同17日の党中央財経委員会で「全人民の共同富裕を人民の幸福を実現する取り組みの重点とし、党の長期的な統治の基礎を絶え間なく固めねばならない」とも述べた。「共同富裕」とは、かつて鄧小平が唱えた「先富論」の次のステージとして習氏が掲げる新たな富の分配思想と言える。財経委で打ち出した「3次分配」がキーワードだ。▶︎

▶︎経済成長による1次分配で生まれた格差を、徴税や社会福祉による2次分配で是正して、3次分配で「高収入を合理的に調節し、違法収入を取り締まる」と言明する。聞こえは良いが、その実態は富裕層や大企業・新興企業への“魔女狩り”である。IT大手の騰訊(テンセント)は何とその翌日、農村振興や低所得者支援に500億元(約8500億円)の寄付を発表した。 
 その後、大手スマホメーカーの小米科技(シャオミ)創業者、雷軍会長が172億元(約2900億円)、ネット通販大手アリババ集団は共同富裕促進事業として25年までに1000億元(約1兆7000億円)の寄付を、それぞれ“自発的”に申し出たのだ。それだけではない。有名女優・鄭爽(ジェン・シュアン)は脱税容疑で摘発されて51億円の罰金を課せられた。そして自己批判文書の公表に追い込まれている。要するに、習氏は中国建国の父・毛沢東に並び称されたいがために、深刻な格差拡大に歯止めをかけるべく国家統制強化を通じて「共同富裕」を打ち出したのだ。とすると、文化大革命再来の兆しと見るべきなのか。 

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