No.641 10月25日号 総選挙の焦点は「若者票」の行方

10月31日投開票の第49回衆院選は週明けから終盤に突入する。岸田文雄首相は25日夜,地方遊説後に東京・永田町の自民党本部に入り,選挙対策会議を主催し,残る5日間の最重点選挙区を決める。今回の総選挙は有権者の投票行動が大きく変わる可能性が強い。
 結論を先に言えば,期日前投票を含め一票を投じる若い世代が増え,若者票が衆院選の勝敗のカギを握るとされるのだ。2017年9月の前回総選挙の投票率は53.68%だったが,20代の推定投票率が33.85%と低かった。
しかし今回は,16年6月に選挙権年齢がそれまでの「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられた影響が露わになりそうだ。20年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行によって同年4月大学入学のフレッシュマンはこの1年半キャンパスを訪れることすら出来ず,アルバイトが無く大学を辞めることを余儀なくされる男女学生が続出するなど,特に18~20歳の若者がこの間の政府のコロナ対策に強い憤りを覚えているのだ。安倍晋三政権下では世界的な保守化潮流もあり,30歳以下の若者世代の自民党支持率は極めて高かった。
 だが,今回は「怒れる若者たち」化した若い世代が野党に一票を投じる行動に転じることが考えられる。衆院選の焦点となっている289小選挙区のうち,213選挙区で野党5党(立憲民主,共産,国民民主,社民,れいわ)が候補者を一本化した。さらに野党系無所属として4選挙区(茨木1区,埼玉8区,新潟5区,徳島1区)を加えれば217選挙区となる。▶︎

▶︎前回衆院選は,直前に旧民進党が旧希望と旧立憲に分裂した影響で,野党同士が争って政権批判票が分散して自民圧勝(284議席)の一因となった。
 しかし今回は選挙区での野党共闘が奏功している面もあり,終盤を前に自民と立憲(野党統一候補)が拮抗する選挙区が少なくない。例えば秋田2区では自民ベテランの金田勝年元法相(衆院当選4回・参院2期=72歳)が緑川貴士(1回・36歳)にキャッチアップされている。自民は青森を除く東北6県で苦戦を強いられている。埼玉8区の自民党幹事長代理まで務めた柴山昌彦元文科相(6回・55歳)に対し,09年総選挙で旧民主党から立候補・当選した小野塚勝俊(49歳)が野党統一候補・無所属で挑み,両候補は拮抗している。選挙区で野党は想像外の健闘をしているのだ。 
 次の注目点である比例代表を検証する。永田町では,選挙区投票は政権を委ねるため与党(自民)に投票するものの,比例では与党に勝たせ過ぎてはいけないという有権者の心理が働き第2党(野党)に投票するという絶妙な判断があると言われてきた。所謂「有権者のバランス感覚」である。ところが,報道各社の直近の政党支持率/比例での投票予定政党を比較すると,こちらは野党が個別に戦っているため,『読売』,『朝日』調査も共に自民支持が圧倒的である…(以下は本誌掲載)申込はこちら

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