10月26日付 世代交代する米国の日本専門家「ジャパン・ハンド」 今後の最有力はジェイク・サリバン氏

少し前のことである。《バイデン米政権は岸田文雄新政権の発足を強く歓迎している。》で始まる産経新聞(10月5日付朝刊)の記事「岸田内閣発足、米『一貫性が魅力』」を読んだ。記事中に懐かしい名前があった。《「東京に安定した手腕と潜在的な持久力を持つ指導者を持つことは日米同盟に吉報だ」と米ハドソン研究所アジア太平洋安全保障議長のパトリック・クローニン氏は指摘する》。
 ちなみに日本経済新聞も後日、同氏のコメントを掲載した。アジア太平洋安全保障問題の専門家であるパトリックM・クローニン氏(62歳)と初めて会ったのは90年代後半で、首都ワシントンだった。当時、英文情報誌「オリエンタル・エコノミスト・レポート」編集長で、畏友のピーター・エニス氏(故人)の紹介である(筆者は同誌東京支局長も務める)。米国防大学国家戦略研究所(INSS)主任研究員のクローニン氏は未だ若く、同地滞在中にエニス氏を交えて何回か飲んだ。その後、来日した折には外務省の安保政策担当者や各社記者と酒食を交えて意見交換もしている。
 ほぼ同じ頃にやはりエニス氏から紹介されたのが、当時、米ジョンズ・ホプキンス大学の客員講師をしていたマイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)副理事長(60)である。東京・神田神保町の古書街で偶然に会い驚き、CSISに招かれて講演もしている。 ▶︎

▶︎両氏のキャリアは、英オックスフォード大学博士号取得のクローニン氏が米国際開発庁次長、INSS所長、英国際戦略研究所(IISS)部長、新アメリカ安全保障センターアジア太平洋安全保障プログラム部長、CSIS副所長などを歴任。ジョンズ・ホプキンス大学博士号取得のグリーン氏は、米国防総省アジア太平洋局特別補佐官、外交問題評議会(CFR)上席研究員、米国家安全保障会議(NSC)上級アジア部長、ジョージタウン大学准教授、CSIS上級副所長などを歴任している。
 米国の日本専門家を意味する「ジャパン・ハンド」という言葉がある。歴代政権で要職を務めた知日派のリチャード・アーミテージ元国務副長官(共和・76)、ジョセフ・ナイ元国防次官補(民主・84)に象徴される。だが、「ジャパン・ハンド」も世代交代が進み、「予測不能」のドナルド・トランプ大統領の登場によって加速された。では、バイデン後にはどうなるのか。ジェイク・サリバン大統領国家安全保障担当補佐官(44)が最有力候補であろう。 

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