12月21日付 G7夕食会、林外相「ピアノ即興演奏」報道のウラ 情勢緊迫でギター名手・ブリンケン米国務長官とのコラボが不発

12月11~12日、英国中部リバプールで先進7カ国(G7)外相会合が開かれた。議長のエリザベス・トラス英外相は冒頭の表明文書で、米国を中心とする国際秩序に脅威を与える国々を「aggressors」(侵略者)という言葉を使い、批判した。とりわけ、ウクライナ国境に軍部隊を展開するロシアの同国への武力侵攻が懸念される現状を念頭に置いた声明であった。
 林芳正外相は初日夜、外相夕食会が催されたビートルズ・ストーリー博物館で、ジョン・レノンの代表曲「イマジン」をピアノで演奏し、出席者から拍手喝采を浴びた。林氏の即興演奏であったかのように報じられたが、事実は異なる。政界きってのクラシック音楽通であり、ビートルズの大ファンでもある林氏はリバプールに向けて発つ前、実は選曲に悩んだというのである。というのも、やはりビートルズ・フリークであり、ギター演奏の名手でもあるアントニー・ブリンケン米国務長官とのコラボというサプライズを、日米外交当局が密かに準備していたからだ。ブリンケン氏は今、緊迫するウクライナ情勢と台湾問題に加えて、混迷する内政などから林氏とのコラボどころではなく、日米外相競演は見果てぬ夢に終わったのだ。 ▶︎

▶︎外交官とクラシック音楽は相即不離の関係といわれる。外務省関係者の間でよく話題となったのがピアニストの故・中村紘子邸のホームコンサートだった。自身もクラシック・サロンを持つ斎藤邦彦元駐米大使、近藤誠一元駐デンマーク大使ら同省OBなどが常連として知られた。
 ちなみに13年12月22日の同ホームコンサートのプログラムに目を通すと、興味深い。当時農水相の林氏はヴェルディの二重唱「あの優しい声は」をテノールでソプラノの母と共に歌った。ピアノ伴奏・斎藤氏である。付言すれば、現衆院議長の細田博之氏がベートーベンのソナタ「悲愴」より『第二楽章』をピアノ独奏した。同氏のショパン好きは永田町でも有名だ。それはともかく、林氏の音楽歴は半端ではない。
 小此木八郎元国家公安委員長、松山政司元一億総活躍相、浜田靖一元防衛相と「Gi!nz」(ギインズ)というユニットを結成し演奏活動までやっている。ピアノからヴァイオリン、ギターまで何でもOKだ。そして、北海道警特別捜査官、公認会計士、道議を歴任し、経営学修士号取得の高木宏壽衆院議員(自民党)は、ジャズピアニストという変わり種である。 

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