4月11日付「世界が賞賛したバイデン演説ー支持率上昇 スピーチライターは『言葉の魔術師』」

 ロイター通信調査によると、ジョー・バイデン米大統領の支持率は微増ながらも上向いている。3月29日の同調査42%が4月5日には45%に上昇した(因みに不支持率は52%→50%)。3月26日にポーランドの首都ワルシャワで行ったバイデン演説を高く評価する声が少なくないのだ。意外と思われるかもしれない。だが、世界各国では次のように称賛する声がある。 
《ポーランド人初めてのローマ教皇であるヨハネ・パウロ2世の言葉「be not afraid(恐れるな)」を冒頭に引用し、信仰の力、回復の力、人々の力について説いた教皇のメッセージがソビエト連邦の崩壊を導いたと讃えた。さらに初の女性国務長官を務めたチェコスロバキア出身のマデレーン・オルブライト氏は熱烈な民主主義の支援者と讃えた上で、リンカーン大統領の言葉「正しい事が力を生むという信念を持つ」を紹介して、民主主義国家間での団結の必要性を訴えて、バイデン氏は演説を終えました》。褒めすぎと言えば、それまでだ。だが他にも、1987年6月12日、当時のロナルド・レーガン米大統領が東西ベルリンの境界にそびえるブランデンブルク門を背景に「ゴルバチョフ(当時・ソ連共産党書記長)!Tear down the wall(壁を取り壊せ)」と訴え、後世に残るスピーチとなったが、35年後のバイデン演説もそれに匹敵するという評価まであるのだ。▶︎

▶︎そしてバイデン氏は演説の最後の最後に、アドリブで「This man cannot remain in power(この男(プーチン氏)が権力の座にとどまり続けてはならない)」と言い放った。なかなか言うじゃないか、というのが筆者の率直な感想だった。そこで気になったのがスピーチライターである。バイデン大統領のスピーチライターはいったい誰なのか。 
ヴィナイ・レディ氏――。オハイオ州デイトナ出身のインド系米国人(生年月日不明)。ただ、バイデン氏との関係は深く、同氏の副大統領二期目からスピーチライターを務めていた。トランプ共和党政権下では、全米バスケットボール協会副会長、米環境保護庁や米健康・人権サービス局幹部のスピーチライターを歴任している。要するに、「言葉の魔術師」である。プーチン大統領に「butcher(殺戮者)」など直截的表現を使うことに躊躇しないのだ。果たして「吉」が出るのか、それとも「凶」となるのか。その解は次のバイデン演説まで待つ必要がある。