4月26日付 台湾・尖閣危機の衝撃シミュレーション 検証の軍事侵攻シナリオに「沖縄・与那国島が中国に占拠」の記述

ウクライナ南東部の要衝マリウポリを死守するウクライナ軍はロシア国防省の降伏勧告を拒み、壮絶な戦いを続けている。ロシア軍は東部ドンバス地方と南部クリミア半島の直結に不可欠な同地域の完全制圧を目指し殲滅作戦を決行中だ。
 こうした悲惨なウクライナ情勢を目の当たりにする中で、筆者は過日、外交・防衛当局幹部と意見交換をする機会を得た。その際、己の知見の無さに気づかされた。その顛末はこうである。幹部の一人が問わず語りに「台湾海峡で軍事衝突が起きたら日本はどう対応すべきか、政府とは別に民間で検証していますが、その詳細をご存知だと思いますが…」と、話題を振ってきた。不覚にもその意味が分からず、思わず「どういうことですか」と聞き返したので件の幹部が説明してくれた。 
 昨年の8月14~15日、東京・市ヶ谷の防衛省近くのホテルで日本戦略研究フォーラム(屋山太郎会長)は台湾・尖閣危機に際しての政策シミュレーションを実施した。そこには、安倍晋三政権下で日本の安全保障政策の立案に関わった元政府高官、自衛隊の陸・海上幕僚長経験者など約30人が参加し、首相、外相、防衛相、国家安全保障局長、自衛隊最高幹部の役割を演じ、官邸危機管理センターでのやり取りとして日本の対応を検証したというのである▶︎

▶︎これは米国が本家の「ウォーゲーム」だなと、得心した。筆者は80年代後半にワシントンを訪れた際、盟友・ピーター・エニス氏(故人)を介して知己となった米ハドソン研究所アジア太平洋安全保障議長のパトリック・クローニン氏から聞いていたのだ。同氏はまさに「ウォーゲーム」家元の米国防大学(NDU)人脈のど真ん中にいた。曰く、今日は国防次官役だった等々。翻って件のシミュレーションはどうだったのか。統裁部でシナリオを作成した武居智久元海上幕僚長、演習部ホワイトセルのリーダーが兼原信克元官房副長官補、そして日本セルは首相役・浜田靖一元防衛相、外相役・石井正文元国際法局長、防衛相役・長島昭久衆院議員、統幕長役・住田和明元陸上総隊司令官らだ。
 「24年3月29日02時、中国は台湾本島と澎湖諸島の政治経済中枢、台湾軍司令部、早期警戒レーダー、通信施設に向けて弾道ミサイル、巡航ミサイルを発射した」―。この記述は、検証された「中国の台湾軍事侵攻シナリオ」にある。その後段に沖縄・与那国島が中国に占拠されたと書かれている。あり得る事だ。