4月30日付「林外相のウクライナ派遣はないのか?ー『ロシア包囲網』強化へ岸田首相の問われる手腕」

 新型コロナウイルス感染者数が減少傾向にある。だが、世上はまだパンデミックへの警戒を解いていない。こうした中で、4月29日に始まったGWは、5月第1週の土、日曜を入れると10連休となる。永田町と霞が関では、閣僚や国会議員がGW中に海外を訪れることを「年中行事」と呼ぶ。閣僚の場合、国際会議出席や、訪問国の要人との会談が海外出張の理由となる。
 今年はどうなのか。岸田文雄首相は4月29~5月6日の日程でインドネシア、ベトナム、タイ、イタリア、英国の5カ国を歴訪する。ウクライナの悲惨な状況が露わになるなか「外交の岸田」を自任する首相は各国首脳との会談を通じて、米欧日主導の“ロシア包囲網”結成の意義を確認・説得するのだ。取り分け11月15~16日にバリ島で開催される20カ国・地域(G20)首脳会合の議長国インドネシア、軍事面でロシアとの結びつきが深いベトナム両国は対露金融・経済制裁に消極的である。まさに「外交の岸田」の真骨頂が問われる。各閣僚の海外出張をリストアップする。
①林芳正外相:4月28~5月2日・訪問国(カザフスタン、ウズベキスタン、モンゴル)、5月6~8日(フィジー、パラオ)、②金子恭之総務相:4月28~5月5日(英国、ベルギー、スイス)、③山際大志郎経済再生相:4月30~5月5日(米国)、▶︎

▶︎④西銘恒三郎復興相:5月1~6日(ドイツ、フランス)、⑤若宮健嗣内閣府特命相:5月2~7日(フランス、デンマーク、ノルウェー)、⑥萩生田光一経産相:5月2~7日(米国)、⑦岸信夫防衛相:5月3~6日(米国)、⑧小林鷹之経済安保相:5月3~7日(米国)、⑨金子原二郎農水相:5月4~8日(タイ、シンガポール)、⑩牧島かれんデジタル相:5月5~12日(エストニア、フィンランド、ドイツ)。物見遊山とは言わないが、かくも行くものか。バイデン米政権の重要閣僚と会談する山際、萩生田、岸の各氏が、今なぜワシントンを訪れるのかは分かる。林氏が中央アジアと南太平洋諸国に行く理由も理解できる。だが、この中には疑問符が付く人物もいる。この他、自民党の甘利明前幹事長、河野太郎広報本部長、佐藤正久外交部会長もワシントンを訪れる。甘利氏が米政権の要路にいる高官と会談するのは納得できる。現下の外交課題は「ウクライナ」である。岸田氏は林外相の同国派遣を検討したことがあるのか。寡聞にして聞いたことがない。