6月13日付「岸田首相がこだわる『新しい資本主義』とはー意味不明フレーズに市場関係者は冷ややか」

 岸田文雄政権は6月7日午前、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)と新しい資本主義の実行計画を閣議決定した。そして同日夕には経済財政諮問会議・新しい資本主義実現会議の合同会議を開いた。
まさに夏の参院選(6月22日公示・7月10日投開票)に向けての「岸田政策」オンパレードという感がある。所得倍増プラン、科学技術・イノベーション、スタートアップ育成、GX(グリーン)・DX(デジタル)トランスフォーメーション、デジタル田園都市国家構想、金融市場整備、経済安全保障まで「政策のてんこ盛り」である。盛り沢山と言うのには理由がある。先述の合同会議後、早々と筆者の元に政府作成の関連資料がメールで送られてきた。
「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」はA4版85㌻、「新しい資本主義実行計画工程表」同26㌻、「規制改革実施計画」同105㌻、「フォローアップ」同84㌻、「フォローアップ工程表」同66㌻で計366㌻に達するのだ。すべてに目を通す気力も時間もなく、ともかく目次だけは読んでみた。
そして驚いた。各資料における章立て(項目)は異なるが、項目の表題が「新しい資本主義に向けた計画的な重点投資」、「社会的課題を解決する経済社会システムの構築」、「経済社会の多極集中化」、「個別分野の取組」と、全く同じなのだ。▶︎

▶︎つまり、同じ表題の項目は中身もほぼ同じである。トータル34㌻が無駄との指摘もある。岸田首相が注力するのは、言わずと知れた「新しい資本主義」である。よほど気に入ったのだろう、このキャッチコピーに拘泥しているのだ。
だが、産経新聞(8日付朝刊)が《同実行計画には、不思議な一文が盛り込まれた》と指摘した件は、「資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろん資本主義である」。 分かったような気もするが、よく分からない。不思議というか、意味不明のフレーズである。
だからこそ、現実に生きる市場関係者は一貫してネガティブなのだ。岸田官邸は年末までに具体策を打ち出すと言明している。「新しい資本主義」と「骨太の方針2022」を起案したのは木原誠二官房副長官、村井英樹首相補佐官、新原浩朗内閣審議官(新しい資本主義実現会議事務局長代理)の3人だが、コンセプトメーカーは“政策職人”で知られる新原氏である。 

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