8月22日付「バイデン大統領が求心力回復ー解はホワイトハウス内の権力構図」

ここに来て“お先真っ暗”とされたジョー・バイデン米大統領が求心力を回復しているようだ。一時期、バイデン氏の支持率は過去最低の36%まで落ち込んだ。
 ところが8月2日のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問に強く反発した中国が強行した軍事演習に加えて、バイデン政権が難産の末に半導体補助法案、インフレ抑止法案などを成立させたことで支持率回復の兆しがみえてきた。なぜか。その解はホワイトハウス(WH)内の権力構図にある。WHのウエストウイング(西棟)は核であるバイデン氏を包み込むように二層構造で成っている。
 まずバイデン氏自身を覆う第一層は「内政インナーサークル」であり、ロン・クレイン大統領首席補佐官(61歳)、マイク・ドニロン大統領上級顧問(63歳)、スティーブ・リチェッティ大統領顧問(64歳)である。3人に共通するのはバイデン副大統領時代(オバマ政権)の首席補佐官、そして20年の米大統領選時の選挙対策本部長などを務めた最側近であるということだ。▶︎

▶︎中でもドニロン氏は40年に及ぶ付き合いであり、バイデン氏妹のヴァレリー・バイデン氏が最も信頼している。同氏は前ロードアイランド州知事のジーナ・レモンド商務長官と同郷であり、強力な後ろ盾である。同氏兄のトーマス・ドニロン氏はオバマ政権の大統領国家安全保障担当補佐官で、同氏夫人がWHのキャシー・ラッセル人事局長。トーマス氏は現在、米大手投資会社ブラックロックのシンクタンクの会長。
 そして金融界出身のレモンド氏は次期財務長官が有力視されている。事実、ドニロン氏の執務室は大統領執務室に隣接する大統領専用書斎、ダイニングルームの東側左隣にある。その左隣がリチェッティ氏。大統領執務室との“距離”でバイデン氏との近さが分かるのだ。次はアントニー・ブリンケン国務長官やジェイク・サリバン大統領国家安全保障担当補佐官に代表される第二層「外交インナーサークル」である。
 バイデン氏の信頼が厚い両氏だが、このような事があった。21年4月の菅(義偉)・バイデン会談に当たり、日本側は国務省を通じて昼食を交えた首脳会談を要請した。だがクレイン氏が拒否。頭を抱えた日本側はキャロライン・ケネディ元駐日大使の助力でリチェッティ氏に頼み、“日米ハンバーガー会談”が実現した。かくもバイデン政権は内政志向なのだ。