No.659 8月25日号 旧統一教会感染」拡大に打つ手無し

 直近の報道各社による世論調査で岸田文雄内閣支持率は急落し,不支持率の急増が際立っている。8月10日に行われた岸田首相の内閣改造・自民党役員人事の前後を比較し,その調査結果を検証する。10日人事前の『読売新聞』調査(5~7日実施):支持率前月比8ポイント減の57%,不支持率8P増の32%,NHK調査(同):支持率同13P減の46%,不支持率7P増の28%,時事通信調査(5~8日):支持率5.6P減の44.3%,不支持率8.5P増の28.5%。10日人事後の『読売』(10~11日実施)では支持率6P減の51%,不支持率2P増の34%であり,岸田首相の旧統一教会に対する対応が「不十分」との回答が55%と半数を超えた。
 共同通信調査(同):支持率3.1P増の54.1%,不支持率1.3P減の28.2%であり,統一教会に関する自民党と所属国会議員の「説明が不足している」が89.5%に達した。『日本経済新聞』調査(同):支持率1P減の57%,不支持率3P増の35%であり,内閣改造・党役員人事を「評価しない」44%が「評価する」30%を大きく上回った。さらに旧統一教会との関係について人事によって懸念が「払拭されたとは思わない」が76%,政党・議員の説明に「納得していない」は82%に及んだ。その後に実施された各社調査では,『毎日新聞』調査(20~21日):支持率16P減の36%,不支持率17P増の54%,『産経新聞』・FNN(フジニュースネットワーク)合同調査(同):支持率8.1P減の54.3%,不支持率9.4P増の40.3%,テレビ朝日「報道ステーション」調査(同):支持率9.9P減の43.7%,不支持率10P増の32.7%。9月27日に執り行われる故・安倍晋三元首相の「国葬」については,『読売』:「評価する」49%,「評価しない」46%,共同:「納得できない」56.0%,『産経』・FNN:「反対」51.1%,『毎日』:「反対」53%,など国民の半数以上が反対である。▶︎

▶︎さらに毎朝のワイドショー番組が自民党国会議員や地方議会議員の“旧統一教会感染”の実態を報じ,視聴者は新たな「事実」を突き付けられる度に答に窮する各議員の映像を繰り返し観せられる上に週刊各誌の大々的なキャンペーンも加わり,政権党・自民党に対する国民の不信は高まるばかりだ。票と選挙運動員に依拠する自民党と政治影響力を期待する旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の根深い関係に起因する。
 因みに『朝日新聞』は8月の世論調査を未だ実施していない。 それでも,「安倍晋三国葬儀」は多数の海外首脳級要人を含め6400人の参列者を招待し,東京・九段の日本武道館で執り行われる。米国からジョージ・W・ブッシュ元大統領,バラク・オバマ元大統領,カマラ・ハリス副大統領,キャロライン・ケネディ駐豪大使(元駐日大使),ウィリアム・ハガティ上院議員(前駐日大使)など,フランスのエマニュエル・マクロン大統領,インドのナレンドラ・モディ首相,オーストラリアのスコット・モリソン前首相,韓国の韓悳洙首相らが参列する。岸田首相は葬儀当日と翌日2日間で来日する各国首脳級約60人全員と短時間ながら会談する…(以下は本誌掲載)申込はこちら