No.660 9月10日号 底抜けもある岸田文雄内閣支持率 

9月11日投開票の沖縄県知事選は,宜野湾市・米軍普天間飛行場の名護市・辺野古移設に反対する「オール沖縄」が支援する現職の玉城デニー知事が自民,公明両党推薦の佐喜眞淳前宜野湾市長を下して再選される可能性大である。
直近の自民党情勢調査(9月3~4日実施)では玉城52%,佐喜眞32%,沖縄タイムス・朝日新聞合同調査(同)でも玉城54.2%,佐喜眞40.93%と,玉城が10超~20ポイントの差を付けてリードしている。現地選挙通の見立てによると,選終盤戦の7日に梶山弘志自民党幹事長代行と小渕優子組織運動本部長が沖縄入りし最後のテコ入れを図ったが届かず,5P前後の差で玉城が再選を果たすとのことだ。8月25日の告示前に那覇市入りした茂木敏充幹事長を始め自民党執行部は知事選敗北を織り込み済みとされる。
だが,現地政界関係者の関心は早くから同日実施の県議補選(那覇市・南部離島選挙区=被選挙数1)に移っていた。県議補選は①辺野古移設反対の「オール沖縄」の前那覇市議②参政党公認の元那覇市議③自民公認の自営業(女性)④無所属のNPO法人代表(女性)の4人が立候補している。①が玉城県政に対し与党的立場で③は野党的であり,②と④が中立である。県議会(定数48)の現状は与党24(立憲民主,共産,無所属),野党21(自民,公明),中立3だが,県議補選の結果次第では玉城県政の少数与党転落もゼロではない。▶︎

▶︎それだけに注目を集めているのだが,先述の選挙通の予測ではやはり①が10P超の差で勝利するというのだ。
宜野湾市長選も辺野古移設容認の現職・松川正則市長(自公推薦)と移設反対の新人・仲西春雅(「オール沖縄」支持)の一騎打であり,終盤戦で大接戦となっている。名護市議選(定数26)もまた1月市長選で自公支援によって再選された渡具知武豊市長の与党と,移設反対の野党が全面対決の様相だ。与野党どちらが多数派になるのか。
いずれにしても,知事選,県議補選,市長選のいずれも移設容認派が苦戦を余儀なくされている。「選挙イヤー沖縄」の結果が国政に与える影響は決して小さくない。 こうした中で岸田文雄政権は,旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党国会議員との「相互依存」の実態について相次ぐ写真・ビデオ流出や元信者告発などを通じてその“癒着”ぶりが明らかとなり窮地に陥っている。別稿にあるように五輪汚職事件も底無し沼状態だ。それだけではない。9月27日に東京・九段の日本武道館で執り行われる安倍晋三元首相の国葬儀を巡り,その決定過程と費用に関する政府説明が不十分,遅すぎるとの批判が噴出し,岸田は8日午後に国会の閉会中審査が衆参院議院運営委員会で開かれ,出席・説明を余儀なくされた…(以下は本誌掲載)申込はこちら