8月6日付「青木の法則」でも危険水域に 岸田政権の支持率、首脳外交しか脱出手段なし…地道に実績重ね〝実りの秋〟にできるか

岸田文雄内閣の支持率が低迷している。直近の報道各社の世論調査で軒並み支持率の下落と不支持率上昇が顕著になっている。日本経済新聞調査(7月28~30日実施):支持前回比1㌽増の40%、不支持±0の51%。読売新聞(同21~23日):支持6㌽減の35%、不支持8㌽増の52%。毎日新聞(22~23日):支持5㌽減の28%、不支持7㌽増の65%。朝日新聞(15~16日):支持5㌽減の37%、不支持4㌽増の50%。産経新聞(同):支持4.8㌽減の41.3%、不支持5.2㌽増の54.4%。 
 それだけではない。自民党支持率が下落している。読売調査で前月比5㌽減の33%、朝日では5㌽減の28%、毎日は何と 5㌽減の24%である。 永田町には長く継承されてきた「青木の法則」がある。「参院のドン」と称された故青木幹雄元官房長官が提唱した、時の内閣の安定度を示す経験則である。すなわち、内閣支持率(%)と自民党支持率(%)を足して、50%を割ると「政権はもたない」というものだ。毎日調査の内閣支持率28%、自民党支持率24%を足すと52%である。50%切れ寸前、つまり岸田政権は「危険水域」に近づいたことになる。
 では当の岸田氏は今、いかなる胸中にあるのか。首相周りから直接聞き及んだところ、ご本人は心折れるどころか意気軒昂というのである。どうやら俗人とは異なる感性の持ち主のようだ。▶︎ 

▶︎岸田氏は17日午前、米ワシントンDCに向けて発つ。18日にDC近郊の「キャンプデービッド」でジョー・バイデン大統領が主宰する日米韓首脳会議出席のためだ。17日(現地時間)はDC市内のウィラードホテルに宿泊し、翌日の日米韓首脳会談後、直ちにDCに戻り、その日の夜遅くアンドルーズ米空軍基地から帰国の途に就く。帰国は20日。1泊3日の超強行軍だ。
 何を言いたいのか――。要するに岸田氏は、首脳外交を通じて地道に実績を重ねること以外に、窮地を脱する手立てがないと自覚しているのだ。そして韓国の尹錫悦大統領との個別会談で同意を得て28日にも福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出を正式発表する。9月にはハードな首脳外交が控えている。5~7日に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(ジャカルタ)、9~10日のG20首脳会議(ニューデリー)、
 そして21日の国連総会(ニューヨーク)での一般討論演説だ。核軍縮と核不拡散を訴える。直前の11日、内閣改造・自民党役員人事を行うはずだ。果たして実りの秋となるのか。