10月4日、岸田文雄政権は発足2年を迎える。岸田首相は先立つ9月22日深夜、国連総会での一般討論演説などを終えて政府専用機で帰国した。そして米ニューヨーク滞在中の20日夜(現地時間)、セントラルパーク真向いのパークレーンホテルでの内外記者会見で「先送りできない問題に一意専心に取り組んでいく。今はそれ以外のことは考えていない」と述べ、衆院解散について報道各社から否定的と報じられた。「改造『不発』しぼむ解散―臨時国会・補正後…時期探る」(産経新聞20日付朝刊)など、今秋の衆院解散・総選挙は遠のいたとの見方が支配的である。
確かに、岸田内閣の支持率は低迷状況から脱出できていない。産経新聞・FNN合同世論調査(9月16~17日実施):支持率前回比2.6㌽減の38.9%、不支持率前回比2.6㌽増の56.1%。朝日新聞(同):支持率4㌽増の37%、不支持率1㌽減の53%。毎日新聞(同):支持率1㌽減の25%、不支持率±0の68%。読売新聞(13~14日):支持率±0の35%、不支持率±0の50%。日本経済新聞(同):支持率±0の42%、不支持率1㌽増の51%。共同通信(同):支持率6.2㌽増の39.8%、不支持率±0の50%。NHK(8~10日):支持率2.9㌽増の36.3%、不支持率1.8㌽減の43%――。支持率が高い「日経」と低い「毎日」を除く5社の平均は37.4%。これが国民判断の相場観ではないか。▶︎
▶︎こうしたなか10月20日の第212回臨時国会召集を控えた今、年内の総選挙の可能性は本当にないのかを探る。報道各社の世論調査結果を、筆者が信を置く選挙アナリストの三木昌平氏に分析してもらった。
それは看過できない指摘だった。2017年2月以降浮上した森友問題で苦渋の極みにあった安倍晋三首相は9月に「国難突破解散」を断行。10月総選挙で与党は得票率で野党に肉薄されたが、自民党6議席減に留め、事実上の勝利を掌中に収めた。同氏はNHK調査で17年9月の自民支持率37.7%、立憲民主6.7%、共産2.6%、維新1.1%を挙げる。と同時に、現在の自民支持率34.1%に対し立民が僅か4%と指摘する。共産2.3%、維新5.8%。立民を筆頭に野党の体たらくを岸田首相が見逃すはずがないと、三木氏は言う。加えて、10月最終週には経済対策の内容が発表される。その規模15~20兆円(真水で約10兆円)も解散誘因となるという。では、年内の衆院解散・総選挙はあるのか。少数派である筆者の見立ては確率60%であるだ。