6月27日夜(米東部時間・日本時間28日午前)の米大統領選テレビ討論会から10日余が経った。ジョー・バイデン大統領の知力、体力の限界を見せつけられて失望したのは伝統的な民主党支持者だけではない。無党派層の中でも“トランプだけは絶対に嫌だ”を公言してきた若い有権者が多い。いやそれよりも何よりもあの最悪のパフォーマンスを観てから心底震えあがった米議会人がいる。大統領選と同じ11月5日に選挙が実施されるのは連邦下院435議席、上院100議席のうち33議席が改選されるため、選挙に弱い民主党下院議員は日を追うごとに声を上げる。「バイデンはこれ以上恥をさらす前に大統領選出馬を撤回せよ」、「このままではトランプの楽勝だ」、「民主党分裂阻止は、バイデン、あなたの撤退決断しかない」――。
連日、米メディアはこうした民主党下院議員の生の声を大きく報道している。まるで「バイデン降ろし」に加担するかのようだ。こうした中で、双日総合研究所の秀逸エコノミスト吉崎達彦氏が編集・発行する「溜池通信」(6月28日付)によると、ワシントンで発行される週刊ニュースレターで事前に「この夏は民主党内で“候補者差し替え論”が、もう一度くらい蒸し返されるかもしれない」と書いていたというのだ。▶︎
▶︎加えて「陰謀論」まで紹介されている。即ち、バイデン氏側近が討論会を通じて大統領をもう1期務めることができるか、大統領職をどこまで困難なくこなしていけるか冷徹に見極めようとしていたというのである。
筆者も若かりし頃はそれなりに陰謀論を紐解くことが少なくなかった。だが、今回はさすがにこの想定に無理がある。そこで少々真剣に次の情報を検証してみたい。テレビ討論会の翌週初めに耳にした。8月19~22日にシカゴで開催される民主党大会の3週間前にバラク・オバマ元大統領夫人のミシェル・オバマ女史(60)が民主党候補指名争いに名乗り上げる――。
衝撃的な情報だ。ネタ元によると、米シリコンバレーの民主党支持IT億万長者数人はドナルド・トランプ前大統領が圧倒的強さで共和党候補に指名されるのが確実となった3月中旬頃から秘かに準備に入った。もし元ファーストレディが民主党候補に指名されれば、女性票、黒人・ヒスパニック票、マイノリティ票などが期待できる。トランプ氏と互角で戦える有力候補になる。この「サプライズ」は、7月29日にはその真偽が判るはずだ。