直近のメディア各社の世論調査で国民民主党(玉木雄一郎代表)の政党支持率が急増し、立憲民主党(野田佳彦代表)を上回り、野党第1党の座を初めて得た。朝日新聞調査(12月14~15日実施):前回比1ポイント増の11%、毎日新聞(同):±0の13%、読売新聞(13~15日):2P増の12%。
一方の立民は朝日: 4P減の9%、毎日:1P減の11%、読売:3P減の8%。参考に自民支持率を記す。朝日:2P減の24%、毎日:1P減の20%、読売:6P減の24%。勢いに乗る国民民主党は、玉木代表の女性タレント不倫問題で3カ月の役職停止の只中にあるが、「103万円の壁」の上げ幅を巡る自民、公明両党との協議で強気姿勢を崩さなかった。
実際、17日に行われた自・公・国3党税調会長協議は、自民が新たな引き上げ幅を提示しなかった事に怒った国民の古川元久税調会長が10分程で席を立ち、退室した。その日は2024年度補正予算13.9兆円が日本維新の会、国民民主の賛成を得て成立したこともあり、他にも独自の見せ場が欲しかった同党の“歌舞伎”との見方が支配的である。それは措いても国民は政治資金規正法改正案など政治改革関連3法案成立に向けても独自の動きを見せた。この間、「政治とカネ」問題の肝とされた政策活動費の全廃法案の他に、政治資金全般を監視する第三者機関を設立する法案を国民、公明両党が提出したのだ。▶︎
▶︎他方、立民が参政、社民など野党4党派で提出した企業・団体献金禁止法案には乗らず、立民と一線を画したことは看過すべきではない。来年1月21日召集予定の第217回通常国会の衆参院予算委員会での25年度政府予算案を巡る与野党攻防の先行きを見通す上で重要な要因となる。これまで永田町ウォッチャーの間では石破茂首相の辞任と引き換えに予算成立という「4月政変」説が多数派を占めた。
ところが野党提案(要求)に譲歩を繰り返す政府・与党だが、石破氏本人は補正予算成立、政治改革3法の成立などで政権運営に自信を抱き始めたというのだ。官邸周辺から聞こえて来るのは、何と通常国会を乗り切り参院選(7月13日投開票)も自らが先頭に立つとの鼻息荒い話が少なくない。それはともかく、米国のカウンターパートであるリチャード・カッツJapan Economy Watch編集長は年明け20日に来日する。彼が最初に面談する政治家は古川氏である。日本の政治情勢をきちんとウォッチしているのだ。