NHKの世論調査(8月9~11日実施)の結果が永田町や霞が関関係者に驚きをもって迎えられた。▼石破茂内閣:「支持する」前回比7P増の38%,「支持しない」8P減の45%▼石破首相の続投意向の賛否:「賛成」49%,「反対」40%▼今後の政権の枠組み:「自公連立政権に野党が政策ごとに協力する」44%,「自公と野党の一部による連立政権」26%,「野党による連立政権」18%▼各党支持率:「自民党」前回比5.4P増の29.4%,「国民民主党」2.2P増の7.1%,「立憲民主党」0.9減の6・9%,「参政党」0.9増の6.8%,「共産党」0.4P増の3.4%,「日本維新の会」0.1P増の3.2%,「公明党」0.6P減の2.9%,「れいわ新選組」0.4P減の2.4%,「日本保守党」0.2増の1.6%,「チームみらい」0.6%(初),「社民党」0.3P減の0.4%<支持率の高い順>。内閣支持率と自民党支持率の上昇,さらに石破の続投意向に賛成が反対を9Pも上回ったことに弊誌も驚いた。衝撃的な数字である。
だが,自民執行部幹部の一人は弊誌に対し「こんなもんだと思っていた」と吐露した。大局観はもとより政局観が無くKYの石破であるが,並々ならぬ続投意欲というよりも総理・総裁の座への強い執着の背景にはいったい何があるのか。8月27日が大安であることを意識してなのか,自民党の参院選敗北総括委員会(委員長・森山裕幹事長)は総括報告書を発表する。
と同時に森山の退任表明があるはずだと,党内の総裁選前倒し期待組はみている。事実,8日に行われた両院議員総会(総会長・有村治子元女性活躍・少子化担当相=参院当選5回・麻生派)で総裁選前倒しを検討すると決めた。その賛否を問うため総裁選挙管理委員会(逢沢一郎委員長=衆院当選13回・無派閥)が手続きを週明けにも始める。党則6条に基づく意向確認の手続きなどのルール作りは初めてだ。意向(意思)確認が仮に記名式で行うようであれば,それは言わば「踏み絵」となる。看過すべきではないのが,当選13回を数える逢沢がこれまで一度も大臣を経験していない事実である。▶︎
▶︎それは同氏が一貫して旧竹下,旧安倍,旧宮沢派など主流派に属さなかったことに理由が求められる。最近で言えば安倍長期政権下でずっと冷や飯組だった。その人が,ルール作りの責任者なのである。総括とほぼ同時進行である。そもそも総裁選前倒しは,麻生派,旧安倍派,旧茂木派の3グループが両院議員総会に向けて署名活動を展開して執行部に開催を迫ったことからも明らかのように,石破降ろしを企図するものである。前倒しは臨時総裁選であり解職ではないので現総裁の石破は出馬できる。
まさに「石破将軍の副官」を自任する赤澤亮正経済財政・再生相は13日午前のテレビ朝日のワイドショーに出演し,「(石破が)もう1回出たいということであれば,私は推薦人になり,応援したい」と言明した。推薦人が問題である。昨年9月の石破推薦人20人に衆参院落選者が少なくない。それでも現職総裁が集められないはずがないとされる。こうした中,石破続投派は「過去に類例のないリコールをするのですね」と牽制し,早期退陣を求める前倒し派が「石破さんも出られるよ」と挑発するなど水面下での攻防は激しさを増す。両院議員総会開催前までに前倒し派の3Gは120超の署名を集めたとされる…(以下は本誌掲載)申込はこちら