ここに来て,自民党内に「高市1強」体制に盾突く者はいない。高市早苗首相は2月8日の第51回衆院選投開票日翌9日夕,東京・永田町の党本部で行われた記者会見後の午後6:35~同7:01鈴木俊一幹事長と会談と「首相動静」に記述されているが,実は麻生太郎副総裁も同席していた。この席で高市が麻生に対し「衆院議長でお願いしたい」と言ってのけたというのだ。同席した鈴木はもとより,その後に聞き及んだ麻生周りは「(高市は)自分を何様だと思っているのか」と一様に激怒したという。麻生自身も「お断りします」と述べたというが,瞬時何を言われたのか理解できなかったと伝わる。昨年10月総裁選決選投票で高市が現防衛相の小泉進次郎を破って当選できたのも麻生が,自身の麻生派に加えて現外相の茂木敏充票と現党政調会長の小林鷹之票を取り込んだことが最大の勝因であることは周知の事実。その麻生に“一丁上がり”ポストの衆院議長を打診する高市の度胸は半端ないものがある。
それだけではない。歴史的大勝だった衆院選の責任者,古屋圭司選対委員長が衆院憲法審査会長に転出した人事も永田町関係者を唸らせた。高市の「精神安定剤」とまで言われた古屋はこれまで3回の総裁選すべてに陣営の中核メンバーとして関わった。そして衆院選にも勝った。▶︎
▶︎だが,実際は「更迭」である。なぜか。自民は比例選で314人を擁立したが,重複立候補者が想定外の大量当選したため東京など4ブロックで比例選当選資格のある名簿登載者が不足し、その結果比例14議席を他党に譲る異例の事態となった。かくも歴史的圧勝するとは思っていなかった党執行部の「チョンボ」である。高市の怒りを買った古屋はこの責めを負ったのだ。容赦しない。声を荒げることも少なくないようだ。党内唯一の派閥・麻生派は“駆け込み寺”化して60人に膨れ上がった。一度麻生が声掛けしたら蝟集する麻生派60人を筆頭に,掌中にあるカード視する小林(鷹之)グループ10~13人,緊密な茂木率いる旧茂木派のコアメンバー約20人,旧安倍派内で存在感を示す萩生田光一幹事長代行グループ約10人,特別国会終了後に復党する世耕弘成元経産相が今も影響力を持つとされる参院自民7~10人の計120人近い大勢力である。
一方,俄かに信じ難い情報だが,不本意な退場を余儀なくされた石破茂前首相は今なお総理・総裁再登板への思いを断ち切れず,これまた逆に高市大勝で火が付いたというのである。中道改革連合(中道)誕生の前後には,中道側が,野田佳彦前代表がミドルマンとなって石破ら自民内リベラル派を吸収するという,今にして思えば全くの夢物語のような話があったほどだ…(以下は本誌掲載)申込はこち
