ドナルド・トランプ米大統領の中国国賓訪問(5月14~15日)直前の11日午後,スコット・ベッセント財務長官は専用機で東京に立ち寄る。そして13日午前,トランプ一行と北京で合流するため同地に向けて発つまで2日間の日程について在日米国大使館は「厳秘」扱いにしている。報道された12日の官邸での高市早苗首相との会談のほか,片山さつき財務相,植田和男日銀総裁とそれぞれ個別に会談以外は明らかにされていない。政府・日銀が1年9カ月ぶりに円買い・ドル売り介入を4月30日に実施したこともあり,市場関係者の多くは,来日の主目的は投機的な円売りに歯止めをかけるため財務相と日銀総裁とは今まで以上に緊密な関係を構築・維持するとのアピールと受け止めている。
確かに,為替問題は大きい。主要欧米諸国は為替至上主義という。と同時に,トランプ政権が懸念するのは,中国が圧倒的生産量を誇るレアアース(希土類)の中でも希少性の高い重希土類イットリウムなど軍民両用(デュアルユース)品目の重要鉱物輸出管理を強めていることだ。ベッセント自身が強い危機感を抱いていることは,10人余の同行者に米財務省幹部だけでなく米国家安全保障会議(NSC)の経済安全保障担当のシニアスタッフが含まれていることでも理解できる。
それだけではない。12日午後7時~9時まで東京・赤坂の在日米国大使館・大使公邸「マッカーサー・ハウス」で歓迎カクテルパーティーと夕食会が催される。ベッセント財務長官とジョージ・グラス駐日大使連名の招待状は約30人に直接届けられた。我が国の金融関係,製造業,通信・電気機器業界など,基本的に対中国を念頭に重要資源・物資のサプライチェーン強靭化で日米連携に関わる企業トップが対象とされた。本誌は,ベッセントをホストとするラウンドテーブル式夕食会が12日夜に在日米国大使公邸で開かれるとの情報をGW初期にワシントンDCから入手。▶︎
▶︎だが,追加情報を得るに難儀したのは,外務・財務・経済産業省の要路でも詳細を知る者は殆どいなかったからだ。それでも先週末まで判明したのは,3メガバンクのトップ(亀澤宏規三菱UFJフィナンシャルグループ会長,木原正裕みずほFG社長CEO,福留朗裕三井住友銀行頭取CEO),3商社トップ(中西勝也三菱商事社長CEO,堀健一三井物産社長CEO両氏は出席だが,岡藤正広伊藤忠商事会長CEOは欠席)以下トヨタ自動車,日立製作所,日本製鉄など大手製造業トップの出席は確認されているが,最終的に誰が赴くのかは当日まで不明。
本誌は上述の外に金融関連として世界最大の資産運用会社米ブラックロック・ジャパンの橋本幸子社長と森信親元金融庁長官,2010年代初頭から個人的な知己である船橋洋一国際文化会館グローバル・カウンシルチェアマン(元朝日新聞主筆)と高橋精一郎ホークスブリッジ・キャピタル社長CEO(元三井住友銀行副頭取)が招かれていることを掴んでいた。このメンバーからもトランプは11月の中間選挙を控えた今,14日午前の習近平国家主席とのディールを通じて目に見える成果を掌中に収めるには「日米連携(同盟)」という手札が必要であると理解していることが分かる…(以下は本誌掲載)申込はこち
