外では依然としてドナルド・トランプ米大統領がイランとの核問題・ホルムズ海峡開放・制裁緩和などを巡るディール(取引)で戦闘終結に向けた合意を急ぐあまり相手のペースに乗せられた感がある。一方,内では高市早苗首相が内閣提出主要法案(閣法)すべてを第221特別国会(会期末7月17日)会期内成立させると鼻息が荒い中,永田町のプロ筋が関心を示す首長選がある。
それは東京の杉並区長選(6月21日告示・28日投票・29日開票)。当該選挙は来年4月の統一地方選を控えた今,離合集散の行方が注目される野党の近未来を占うリトマス試験紙になる。2022年6月の前回選挙で立憲民主,共産,社民党などの支援を受けた岸本さとこ(51)が,元区長3期・都議5期の現職の田中良(65)を187票の僅差で破り,当選した。今回は現職の岸本が,自民党区議の大和田伸(45)とリベンジを目指す田中の挑戦を受ける。▶︎
▶︎まず大和田。石原伸晃元幹事長の元秘書で同区議4期(同区議会議長も)の大和田に岸田文雄政権時の中谷元・首相補佐官(国際人権問題担当)秘書官を務めた経済産業省OBの門寛子衆院議員(東京8区選出/杉並区・当選1回)が全力投球するのは当然だが,片山さつき財務相も応援に入る。参院全国区比例選出の片山は,自身の28年7月選挙を視野にシンパ組織化に努め,大和田応援もその一環。都民ファーストの会所属区議が支援する田中を,公明党が告示直前に支持表明したことで岸本陣営は困惑する。
今回区長選の読みが難しいのは,野党第1党の中道改革連合(中道・旧立憲民主党)の党内事情によるものだ。2月の衆院選東京8区で自民の門に敗れた中道の吉田晴美前衆院議員が6月15日に離党したことから,一時離党ドミノのトリガー(引き金)となると見られたが,同調者は殆どいない。党派性を前面に出さない戦術の岸本陣営は内心で,1回生時代の24年9月の代表選に出馬したキャラの立つ吉田が選挙戦にコミットしなくなったと喜んでいるという。そうだとしても岸本陣営の実態は「中道・共産・社民」連合であることに変わりがない上に,「公明・都民ファ」連合が元区長支持の対立構図となったことでも分かるように,参院の立民と公明の中道への合流どころか,年内にも中道は空中分解するのではないかと懸念される。現下の情勢では,野党の先行きに光明の兆しがない…(以下は本誌掲載)申込はこち
