9月17日の第2次高市早苗改造内閣発足後の報道各社の世論調査である。読売新聞(17~18日実施)の内閣支持率:前回比3P増の59%,不支持率:同2P減の30%。共同通信社(同)の内閣支持率:前回比3.2P増の53.4%,不支持率:同3P減の30.9%。テレビ朝日(ANN。19~20日)の内閣支持率:前回比2.9P増の58.3%,不支持率:2.3P 減の27.6%。前日の自民党執行部に続く改造人事にもサプライズがなかったものの,主要閣僚続投による内閣の骨格維持が好感されたのか,支持率は3社共に微増となった。だが,永田町・霞が関の受け止め方は世上とは大きく異なる。プロ筋の評価は高い。高市首相(党総裁)自身が再任・新任閣僚ともに熟慮の上で選出したまさに「高市人事」だ。
概要から指摘する。第1に,高市は来年9月に実施される自民党総裁選での無投票再選を念頭に考え抜いて断行した人事である。第2に,引き続き自民党の麻生太郎副総裁から全面的支援を得るため特段の配慮が際立つことだ。
個別具体的に見る。焦点の林芳正総務相は,首相本人から続投の打診もなく事実上,放出された。加えて,内閣改造でデジタル相として初入閣した古川俊治(参院当選4回・旧安倍派=63歳)は2024年総裁選で林芳正候補推薦人に当時の安倍派唯ひとり名前を連ね,25年総裁選でも旧安倍派から元下関市長の江島潔(同3回)共々林候補推薦人になっている。林夫人と古川夫人は慶應女子中学・高校の同級生であり,両家の家族ぐるみの付き合いもあり古川は政治信条を超えて林支持を鮮明にしてきた。▶︎
▶︎高市はそこに楔を打ち込むかのように慶大医学・法学部卒業,英オックスフォード大学院修了(MBA)の大秀才・古川をAI・デジタル推進,サイバー安全保障,コンテンツ戦略,知的財産戦略,科学技術政策などの担当特命相に起用した。念を入れるためかやはり大秀才の塩崎彰久党インテリジェンス戦略本部事務局長(衆院3回・50歳)を同副大臣に就けた。
小泉進次郎防衛相(衆院7回・無派閥=45歳)の再任にも高市の狡猾さが窺える。戦後の防衛政策の大転換を成し遂げた岸田文雄政権下の22年12月の安全保障関連3文書改定から4年間に激変した国際情勢の中で,同文書は今年12月に再改定される。中国の習近平指導部は,首相による昨年11月の「台湾有事」を巡る国会答弁を奇貨として「新型軍国主義日本」の大キャンペーンを展開している。そしてそのピークは,10月5日召集の臨時国会終盤12月の3文書再改定に合わせたタイミングで到来する。中国からのジャパン・バッシングに晒されながら所管大臣の小泉は逐次国会答弁から記者会見まで臨むことになる。確かに,小泉は瞬発力がある。それにしても器量が問われる…(以下は本誌掲載)申込はこち
