No.679 7月10日号 岸田「北朝鮮電撃訪問」はあるのか? 

7月8日は安倍晋三元首相が参院選の街頭演説中に奈良市の近鉄大和西大寺駅前で銃撃され,死亡した事件からちょうど1年。同午前,東京・芝公園の増上寺では一周忌法要が営まれた。法要には昭恵夫人ら遺族,岸田文雄首相を始め,小泉純一郎,森喜朗両元首相や麻生太郎自民党副総裁,菅義偉前首相,公明党の山口那津男代表らが参列した。同日午後からの一般向け献花台では約5000人が花を手向けた。岸田首相は引き続き同芝公園のホテル「ザ・プリンスパークタワー東京」で行われた故安倍元首相を偲ぶ食事会に出席した。午後には元赤坂の明治記念館での「安倍晋三元総理の志を継承する集い」にも出席し,挨拶している。
 本誌がこの間,注目していたのは自民党最大派閥の清和会(安倍派)が一周忌行事の締め括りとして同日夕に南麻布の料亭「有栖川清水」でセットした同派衆参院議員の夕食会である。それまでに同派次期会長選出を巡り,難航した「5人衆」(高木毅国対委員長,松野博一官房長官,西村康稔経済産業相,萩生田光一政調会長,世耕弘成参院自民党幹事長)協議が進展し着地点に達したかどうかが判明すると注視していたのだ。
 本誌が得た情報によると会場正面のひな壇(長テーブル)は最高顧問の細田博之,名誉顧問の衛藤征士郎,会長代理の塩谷立と下村博文,副会長の山谷えり子,事務総長の高木,参院幹事長の世耕ら10人が占有した。▶︎

▶︎派閥要職に就いていない松野,西村,萩生田は他の議員と同じ丸テーブル着席だったという。この席次は次期会長が未定を示唆している。同派に依然として多大な影響力を持つ森元首相の本命は萩生田とされるが,肝心の本人にヤル気が見えないことから森は「高木・世耕派」で良いと言い始めたという。
 それはともかく昭恵夫人は23日に地元・山口を訪れて,長門市油谷蔵小田にある安倍家の墓に納骨する。安倍が胸に秘めていた派閥後継者名を知る者はいない。 岸田は満を持して11~12日にバルト3国のリトアニア・ビリニュスで開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に昨年6月のスペイン・マドリード会議に続き出席する。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も出席,ロシアと戦うウクライナへの人道・軍事支援の中身を深掘りする。13日にはベルギーの首都ブリュッセルに移動し,EU(欧州連合)本部でウルズラ・フォンデアライエン委員長と日EU首脳会談を行う。こちらは中国の「一帯一路」政策を念頭に欧州と東・南シナ海,南太平洋を結ぶ広域経済安全保障圏の構築について協議する。首脳共同声明に「日EU戦略対話」創設が盛り込まれる…(以下は本誌掲載)申込はこちら