永田町で今、最大の関心事は間違いなく小池百合子東京都知事の去就についてである。東京都知事選告示は6月20日、投開票が7月7日だ。仮に岸田文雄首相が衆院選との同日選を視野に入れているのであれば、都知事選の7月7日(七夕)に衆院選の投開票を合わせるため、公示を6月25日にしなければならない。従って、2週間程度の選挙事務準備を考慮して同10~14日の週に衆院解散となる。飽くまでも、これは想定シナリオである。想定と言えば、4月16日告示・28日投開票の衆院3補選の東京15区に小池知事が立候補するという情報も無視できない。
筆者周辺の選挙予測プロフェッショナルの間では、国政復帰に意欲があるとされる小池氏は出馬するとの見立てと、都知事三選を目指すのは間違いないという見方が半々だ。都知事選とのダブル選挙でなくても、6月23日の通常国会会期末(23日が日曜なので実質会期末は21日)での衆院解散の場合、①7月9日公示・21日投開票、②同16日公示・28日投開票のいずれかであろう。 それは同時に、「都・衆ダブル選挙」であれ、衆院シングル選挙であれ、小池氏が都知事を辞して国政転出の可能性が残るということだ。▶︎
▶︎すなわち、岸田氏が「6月解散・7月総選挙」を決断するにしても、その際「小池ファクター」を考慮しなければならないということでもある。 永田町では周知の事実だが、自民党内には麻生太郎副総裁を筆頭に“小池嫌い”が少なくない。
他方、あまり知られていないが、岸田氏と小池氏は緊密なコミュニケーション関係にある。それだけではない。小池氏は、安倍晋三元首相の最側近だった今井尚哉元首相補佐官(現内閣官房参与)とも親しい間柄である。21年10月の岸田政権発足以降、国政と都政の巧妙な「政策連携」があったとも聞く。では、次期衆院選での「岸田・小池連携」にリアリティがあるのか。絵柄で言えば、両氏が一緒に選挙カー上で応援演説する姿だ。確かに迫力を感じる。
一方、小池氏の国政復帰はないと断じるプロの説明にも得心する。自民党の萩生田光一東京都連会長にとって、1月の地元・八王子市長選は”政治生命“を賭けたものだった。萩生田氏が推した自民、公明両党推薦候補支持に土壇場で小池氏が応じたので辛勝できた。翻って小池氏都知事三選は自公・都民ファースト連合で確定的と言う。