全国紙4社の最新世論調査で内閣支持率と自民党支持率が4紙共に微増ながら上昇した。朝日新聞調査(4月20~21日実施):内閣支持率前月比4P増の26%,不支持率5P減の62%,自民党支持率4P増の26%。毎日新聞(同):内閣支持率5P増の22%,不支持率3P減の74%,自民支持率3P増の20%。読売新聞(19~21日):内閣支持率±0の25%,不支持率4P増の66%,自民支持率1P増の24%。産経新聞・FNN合同(20~21日):内閣支持率3.7P増の26.9%,不支持率4.1P減の67.7%,自民支持率1.3P増の25.4%。それでも,岸田文雄内閣の支持率及び政権党・自民支持率低迷に変わりはない。
今回世調で看過できないのは,①「朝日」調査で判明した公明党支持層の岸田内閣支持が3割台半ばで,不支持の方が4割強と上回ったことと,②政権交代に関する質問で「産経」が自民中心の政権存続期待40.1%,政権交代期待52.8%,「朝日」は自民を中心とした政権39%,自民以外の政党による政権48%―の結果である。自民党派閥の政治資金規正法違反(裏金)事件で改めて浮上した「政治とカネ」問題に拒否感が強い公明党及び支持母体・創価字会の“自民不信”は,今後の政局動向を読む上で無視すべきではない。28日投開票の衆院3補選にもそれは見て取れる。岸田は21日,自民公認候補唯一の島根1区3カ所で応援演説をした。▶︎
だがダブルスコアまでいかないものの敗北は不可避であり,28日夜のNHKは大河ドラマ放映を20:10に設定しており,それまでに開票速報で「自民3戦3敗」を打つ。
ではなぜ,僅かであれ支持率が上昇したのか。やはり今回の岸田首相の国賓待遇訪米(4月8~14日)が好感されたということだ。中でも11日午前(米東部時間,以下同じ)の米連邦議会上下両院合同会議での首相演説と10日夜のホワイトハウス(WH)で催された公式晩餐会挨拶は,米側でかつて例がない高い評価を得た。
前号でも言及したが,キー・フレーズなので再録する。「世界中の民主主義国は,総力を挙げて取り組まなければなりません。私はここで申し上げたい。日本は既に,米国と肩を組んで共に立ち上がっています(I am here to say that Japan is already standing shoulder to shoulder with the United States)。米国は独りではありません(You are not alone)。日本は米国と共にあります(We are with you)。」前段に例の「『自由と民主主義』という名の宇宙船で日本は米国の仲間の船員であることを誇りに思います(On the spaceship called “Freedom and Democracy”, Japan is proud to be your shipmate)。」がある…(以下は本誌掲載)申込はこちら