第50回衆議院議員総選挙(10月9日解散・27日投開票)は終わった。石破茂首相は「日本創生解散」と命名した。そこで新憲法下での解散/投開票日・六曜を調べてみた。六曜とは、日の吉兆を判断する考え方で、大安、友引、先勝、先負、赤口、仏滅の六段階ある(縁起のよい順)。吉田茂政権下の第23回総選挙(昭和22年3月31日解散・4月25日投開票)以降、今回選挙まで28回実施された。今総選挙の解散10月9日は「先負」であり、投開票27日も「先負」。同じ解散・先負、投開票・先負で実施されたのは76年間に僅か1回だ。第2次池田勇人政権下の第30回総選挙(昭和38年10月23日解散・11月21日投開票)である。「所得倍増解散」と名付けられた。
選挙結果:自由民主党(池田総裁)は選挙前議席から-3の283議席、野党第1党の日本社会党(河上丈太郎委員長)が+7の144議席。東京オリンピック開催を翌年10月に控えた当時の与野党の勢力均衡に大きな変化はなかった。当時は選挙制度が中選挙区制、選挙権を持つ年齢が20歳以上、投票率が71.14%と高いなど現行の小選挙区比例代表並立制、選挙権者18歳以上、投票率が低い(前回55.93%)と大きく異なる。因って昭和38年当時と現在をアナロジーするのはナンセンスだと言われそうだ。▶︎
▶︎筆者が本稿を執筆しているのは投開票2日前だ。報道各社の終盤情勢調査を見る限り、自民党は現有議席247から50前後の大幅減少、公明党も公示前の32を下回るのが必至とされた。
即ち、自公合わせて過半数233議席に届かないとの見方が支配的である。この多数派の見方でいくら言い募っても本紙発売日には結果が出ているので面白くない。そこで無い知恵を絞って「六曜」を絡めて先例にアナロジーできる総選挙を探した。これまた空振りで、選挙結果が全く違うのである。そう。オーソドックスにやるしかない。姑息な手法を採ったら火傷する。という訳で真っ当な読み筋から自公合わせたケーススタディに挑んでみた。
シナリオ①233議席以上(自民裏金議員の追加公認を含む):石破首相続投、②232~220議席(以下、同):加藤勝信財務相か林芳正官房長官が暫定首相(石破氏生き残りもある)、③219~200議席:高市早苗前経済安全保障相が反主流に担がれて首相、④200議席未満:何でもありの大政局になる。11月7日召集の特別国会で首班指名選挙が実施される。自民党は2人が名乗りを上げる?