1月24日、第217回通常国会が召集される。 衆院の議席指定や参院の院の構成を終えた後、午後1時から天皇陛下をお迎えして開会式が執り行われる。
その後、衆参院本会議で首相の施政方針演説を始め、外相、財務相、経済財政政策相による政府4演説が予定される。国会序盤審議は27日の衆院本会議、28日の参院本会議で与野党の代表質問によってスタートし、29日夕まで続く。本来は30日から衆院予算委員会が始まる予定だった。ところが、召集前の衆参議院運営委員会理事会(政府代表として林芳正官房長官が出席)で全野党が求めている「政治とカネ」問題で自民党の旧安倍派会計責任者招致を巡る与野党対立を解消できなかった。
以って衆院予算委員会開催は週をまたぐ2月3日になる。この僅か4日遅れが看過できない波紋を呼んだ。自民党の森山裕、公明党の西田実仁両幹事長と財務省は、早くも2025年度予算案の年度内成立を諦め、数日の暫定予算策定で折り合いを付けることに舵を切ったという。国民民主党(玉木雄一郎代表)が求める「103万円の壁」の178万円への引き上げは、財政出動が必要な財源問題そのものだ。これも本来は石破茂首相(総裁)、斉藤鉄夫公明党代表2人が新川浩嗣財務事務次官に強権発動できる立場にいる。▶︎
▶︎だがしない、いや出来ない。なぜならば、石破首相は森山幹事長に「丸投げ」しているからだ。石破氏には自公国協議に関心がないとは言わない。だが、森山氏は自民党国対委員長に腹心の坂本哲志、衆院議運委員長に気心知れた浜田靖一氏を起用し、しかも気脈を通じる立憲民主党の安住淳元財務相が衆院予算委員長――を前にすれば、たとえ鈍感であっても自分の出る幕はないと理解する。端から介入の余地などないのだ。
では、石破氏に出来る事は何か。玉木氏の不倫疑惑による役職停止期限は3月3日までだ。恐らく翌日に石破・玉木会談をセット、最終合意を得ていない「上限103万円」を130万円台で決着して、何としてでも25年度予算の年度内成立を掌中に収める。そこまで行ければ、7月の参院選を自らが陣頭指揮することも可能だ、と思い詰めていると聞く。石破氏は6月中旬にカナダ西部のカナナスキスで開催されるG7サミット出席に強く拘泥しているのだ。なぜか。初出席は石破氏、トランプ米大統領、スターマー英首相。カナダとドイツも新首相であり、7人中5人が新人。自らをアピールする絶好の機会と思っているのだ。何ともはや言葉がない。