のっけから少々長い引用だが,ご寛容願いたい。Q「…今回選挙はですね,これまで以上に選挙結果が首相選出に直結し,国民の投票が実質的にですね,首相を選ぶことに最も近いものになると考えております。高市総理に日本の舵取りを任せるのか否か,そしてもう一点大事なこととして国益優先で中国と対峙できる政党なのかどうか,日本の将来を決める極めて重要な選挙だと考えていますが,改めて総理のご認識をお聞かせください」。A「…国民の皆様が直接,内閣総理大臣を選ぶことはできません。
しかし衆議院選挙は政権選択選挙と呼ばれています。自民党と日本維新の会で過半数の議席を賜ることができれば,高市総理続投かと思われます。そうでなければ野田総理なのか斉藤総理なのか,別の方なのかと考えます。間接的ですが国民の皆様に内閣総理大臣を選んで頂くことになります」――。高市早苗首相は1月19日夕,官邸で行った記者会見で23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する意向を表明した。と同時に,第51回衆院選の日程は27日公示・2月8日投開票とすることが決定した。選挙戦は僅か16日間で戦後最短である。▶︎
▶︎本稿冒頭の引用は内閣記者会とのQ&Aである。読めば直ぐに分かる。<首相個人の人気によほど自信がおありなのだろう。だが衆院選は人気投票でもなければ国民投票でもない>(『朝日新聞』24日付朝刊の「多事奏論」=高橋純子編集委員)や,<「自分にすべての権限を与えてくれ」と言っているのと同じで,非常に傲慢な意図が垣間見える。解散の大義として成り立っていない>(『日経新聞』25日付朝刊の「多党化時代の選択―衆院選2026」に掲載された御厨貴東大名誉教授のコメント)を読むまでもなく「大義なき解散」であることは明らかだ。
冒頭の質問を行ったのは『読売新聞』官邸詰めのT記者に続いた「ドワンゴ」記者である。想起すべきは,『読売』(10日付朝刊)の大スクープ「首相,衆院解散検討―2月上中旬,投開票―23日通常国会冒頭に,『責任ある積極財政』問う」には官邸側のリークがあったとの,弊誌編集長を含む指摘である。4日付発令でJETROブリュッセル事務所長から戻ったばかりの佐伯耕三内閣広報官(故安倍晋三首相の元スピーチライター)が前日午後,件のT記者と官邸の真向かいにある国会記者会館で懇談しているのが現認されている。
と言うよりも見せていたフシが濃厚だ。ドワンゴ記者はT記者に触発された可能性がある。一方,同日に『読売』のM幹部が木原稔官房長官から同趣旨を耳打ちされていたという情報もある。要は,高市本人と首相周り数人だけで年初から「早期解散・短期決戦以外に勝機(=自民で単独過半数)は無い」との判断を共有していたことだ…(以下は本誌掲載)申込はこちら
