3月8日投開票の石川県知事選で現職の馳浩知事(無所属=自民,維新推薦)が山野之義元金沢市長(無所属)に僅差で敗北した。高市早苗首相は告示後の2月28日夕,かつて自身がメンバーの自民党旧安倍派(清和会)時代の同志・馳浩の応援のため16:53羽田空港発のJAL189便で空路金沢入りした。18:28に演説会場に到着,応援演説後の19:21に金沢駅発北陸新幹線かがやき516号で21:55東京駅到着。22:12官邸着,22:45国家安全保障会議(NSC)召集・出席,23:54公邸。この首相トンボ返り金沢行きは,第1に首相の知事選応援そのものが異例中の異例である=それほど高市には馳浩を応援せざるを得ない義理(借り)があるのか?第2は,帰京後のNSC召集は言うまでもないが,28日午前(現地時間)に米国とイスラエルの共同軍事作戦によるイラン空爆に関する情報収集・分析報告を受け,その上で政府の対応策協議を行ったことからも浮上する高市首相の「危機管理力」への疑問である。
もちろん,ドナルド・トランプ大統領がイラン攻撃命令発動前に高市首相に事前通告するはずがない。次に東京・ワシントンDCの時差14時間と東京・テヘランンの時差5時間30分を考慮して深掘りする。肝要なのは,思い付きを直ぐに口にするトランプ発言は日替わりメニューと称される一方で,検証してみると筋は一貫しており最後に帳尻が合うのがトランプ流であると,知見と経験で学んだ各国首脳は不承不承ながら付き合ってきた。▶︎
▶︎であればトランプは早晩イラン軍事攻撃を決断する,それも“虎の子”の最新鋭原子力空母ジェラルド・フォードを中核とする空母打撃群がベネズエラ電撃攻撃を終えて遥か大西洋からジブラルタル海峡を通過し地中海に入り,針路を中東海域に向けているのが判明した2月20日に米CNNや英BBCを始め主要メディアは「警告」を込めて報じていた。要するに,かつてたとえ馳浩に返さなければならぬ借りを作ったとしても応援に行くべきではなかった。然は然り乍ら,無理を承知で高市は僅か22分間の応援演説のため出張ったのに敗れたのだから原因究明と責任追及の声が党内一部から噴出したという。それはフェアではない。知事選告示前から現職・馳浩の苦戦は伝えられていた。
しかし,人気に衰えが見えない高市が実質的に前日から始まった衆院予算委員会開催中に(土曜日であれ)わざわざ応援に駆け付けたからこそ,6110票差まで追い上げたというのが実相である。共同通信社世論調査(3月7~8日実施)の内閣支持率は64.1%で,前月比3.2ポイント減少したものの,依然として高水準を維持している。この内閣支持率と自民党支持率が共に高止まりしているためか,現下の日本を取り巻く環境はとても良好とは言えないのに高市の最近の自信に溢れた言動が漏れ伝わって来る。先ずは国会日程。2026年度政府予算案の13日衆院通過は固く,16~19日の参院予算委員会審議を一般審議と並行して行えば年度内成立の可能性は俄然高くなる…(以下は本誌掲載)申込はこち
