7月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)」――の別紙(A4版42枚)のカバー頁に,<「責任ある積極財政」元年~日本の挑戦を起動する!~>と記述されている。高市早苗政権のキャッチコピーだ。その<第1章マクロ経済運営の基本的考え方―(1)「強い経済」の実現に向けて>の冒頭に,次のような件がある。《……主要先進国では,市場に委ねるだけでは解決できない課題に対応するため,官民が連携して大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策が大きな潮流となっている。
これは,経済財政運営の在り方そのものに関するコペルニクス的転回であり,我が国においても,こうした時代の変化を踏まえた国家運営が求められている。高市内閣は,投資不足の流れを断ち切るとともに,世界的な産業政策の大競争時代に対応していくため,「責任ある積極財政」の考え方の下,政府が一歩前に出て,官民手を携え,戦略分野への投資を進める》。このワーディング「コペルニクス的転回」は,城内実経済財政相・日本成長戦略担当相が捻り出した。城内は2月20日の第221回国会冒頭の経済演説で,高市政権による積極財政への転換を「天動説から地動説へと世界観が変わるようなパラダイムシフト」と表現している。それを今回,さらに「コペルニクス的転回」へと“アップグレード”した。城内の強い意志を感じる。▶︎
▶︎そもそも「骨太の方針2026」は7日の自民党政務調査会(小林鷹之会長)全体会議で同基本方針(原案)について出席国会議員の挙手による賛成多数で了承され,さらに14日の閣議決定を予定していた。
ところが,6月30日に同原案が公表されて債券安(長期金利上昇)と円安進行の「骨太ショック」が出来し,閣議決定が1週間延期を余儀なくされた。原案に前年まで記述された「財政の健全化」の文言が消え,日銀の金融正常化にブレーキをかけるニュアンスがあったのがトリガー(引き金)となった。取り分け,弊誌が注目するのは,その最中の<7日の政調全体会議では金融・財政に詳しい議員から「日銀の独立性を尊重する趣旨の記述を入れるべきだ」との意見が出た>(日本経済新聞23日付朝刊1面のコラムから引用)ことだ。ファクトチェックする。当該議員は日本銀行出身の神田潤一衆院議員(当選3回)。旧宏池会(岸田派)の木原誠二元選対委員長(7回)直系の村井英樹元官房副長官(6回),小林史明党経済産業部会長(同)らと立ち位置が同じ。財政規律派である。さらに先述の(1)「強い経済」の項に《…経済・物価・金融情勢に応じて適切な金融政策運営を行うことにより,…》との表現を盛り込み,敢えて脚注で「日銀法第3条」について言及した。要は,原案修正に応じたのだ。頑固な高市ではあるが,そこがリアリストたる所以である…(以下は本誌掲載)申込はこち
